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社会福祉主事の将来性は?キャリアアップに役立つ資格
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社会福祉主事の将来性。キャリアアップに役立つ資格とは
公務員として福祉の仕事に携わりたい方におすすめなのが、社会福祉主事です。
この記事では社会福祉主事の将来性をテーマに、社会福祉主事を取り巻く環境の変化や、キャリアアップの方法などを紹介していきます。
目次
社会福祉主事の仕事
社会福祉主事任用資格を取得し、福祉事務所などに就職することで社会福祉主事になれます。
社会福祉主事は、ケースワーカー(現業員)やスーパーバイザー(査察指導員)として、生活に困っている人の相談に乗ったり、生活保護の受給の申請をしたりするのが主な仕事です。
また、社会福祉主事任用資格を活用し、ソーシャルワーカーや生活相談員として病院・福祉施設などで働くこともできます。
社会福祉主事の現状
社会福祉主事は、①生活保護の受給者が増えている②福祉事務所には社会福祉主事の配置義務があることから、需要の高い職種です。
この社会福祉主事を取り巻く環境の現状について、もう少しくわしく見ていきましょう。
社会福祉主事を必要としている人が増えている
すでに見てきた通り、社会福祉主事は生活保護の対象となる人を支援します。
厚生労働省の調査によると、生活保護の受給者と世帯数は、全体で見るとここ数年で減ってきていますが、高齢者だけ見ると増え続けています。
さらに、平成29年7月末時点で、受給者の約半数は65歳以上の高齢者というデータも。
高齢化が進む中で高齢者の貧困問題も増えていき、社会福祉主事の支援を必要とする人も増えていくと予想されます。
また2020年以降は、新型コロナウイルスの影響で生活保護の申請が増えています。
この影響がいつまで続くのか不透明な中で、生活保護が必要な人がさらに増えていく可能性もあり、社会福祉主事の需要はますます高まっていくかもしれません。
福祉事務所には社会福祉主事の配置義務がある
社会福祉の援護や更生に関する仕事をする福祉事務所では、社会福祉主事を必ず配置する義務があります。(ただし町村は任意)
令和2年の福祉事務所の数は、都道府県で206箇所、市で999箇所、町村で45箇所の計1,250箇所と、全国にたくさんの福祉事務所があることが分かります。
設置主体 | 都道府県 | 市(特別区含む) | 町村 | 計 |
---|---|---|---|---|
箇所数 | 206 | 999 | 45 | 1,250 |
引用:福祉事務所|厚生労働省
社会福祉主事が必要とされる職場が、これだけたくさんあるということですね。
社会福祉主事の将来性。より活躍できるようになるには?
上で見てきた通り、社会福祉主事は需要の高い職種だということが分かります。
では、今後もっと活躍できる・将来性のある社会福祉主事になるためには、どうすれば良いのでしょうか。
これから社会福祉主事に求められることについて、2つ紹介します。
他の機関や職種との連携がより求められる
高齢化を始め、生活保護や児童虐待、非正規雇用の増加など、社会福祉によって解決しなければいけない問題はたくさんあります。
また、これらの問題は複雑に作用しているため、1人に対して様々な角度からの支援が必要です。
例えば高齢者1人が、貧困問題、介護問題、雇用問題など複数の問題を抱えていて、社会福祉主事だけでは全ての問題を解決できないケースもあります。
社会福祉主事に限らず、全ての福祉職に言えることですが、これからは色々な機関や職種と協力し合って支援をすることが求められるでしょう。
特に高齢者に関しては、「地域包括ケアシステム」の取り組みが推奨されています。
これは地域の機関が連携し、高齢者へ医療、介護、生活支援などのサービスを一体的に提供するための制度です。
高齢者の支援をすることが多い社会福祉主事も、今後は地域包括ケアシステムの要員として仕事をすることが増えていく可能性があります。
専門性を高めることが大切
社会福祉主事任用資格は、養成機関でカリキュラムを受けることで取得することもでき、実務経験を問われません。
そのため、他の福祉系の資格と比べて専門性を疑問視する声もあります。
また、ケースワーカー(現業員)の上位職であるスーパーバイザー(査察指導員)の専門性の低さも問題になっています。
ケースワーカーとしての経験がほぼないままスーパーバイザーになる、人手不足のためケースワーカーとスーパーバイザーを兼務しているなど、スーパーバイザーの役割が上手く機能していないケースもあるのです。
今後は資格を取得するだけでなく、現場に積極的に出て実務経験を積んだり、研修を受けたりと、自ら進んで専門性を高めていくことを意識してみてください。
社会福祉主事のキャリアアップを狙うには
社会福祉主事の将来性が気になる方は、キャリアアップも視野に入れると良いでしょう。
ここからは、具体的なキャリアアップの方法について紹介します。
経験を積んで、できる仕事の幅を広げる
社会福祉主事任用資格の取得に加えて、一定の実務経験を積むことでできる仕事があります。
具体的な実務経験の内容と、それによってできるようになる仕事は次の通りです。
児童福祉事業従事2年以上等
- 家庭児童福祉主事:家庭児童福祉の業務に従事する社会福祉主事
- 家庭相談員:家庭や学校における子供の問題について相談やサポートをする仕事
- 児童福祉司:障がいや虐待、不登校などの問題を抱えた子供の成長をサポートする仕事
知的障害者福祉事業従事2年以上等
- 知的障害者福祉司:知的障がいを抱えた方の相談やサポートをする仕事
※知的障害者福祉司任用資格の取得も必要
身体障害者福祉事業従事2年以上等
- 身体障害者福祉司:身体の不自由な方の相談やサポートをする仕事
※身体障害者福祉司任用資格の取得も必要
社会福祉士の資格を取得する
社会福祉士は国家資格で権威もあるため、社会福祉主事からのキャリアアップに最適です。
社会福祉士は、市役所や福祉施設、病院など、さまざまな場所で相談業務を行います。
生活困窮者に限らず、高齢者、障がい者、児童など支援の対象が広く、活躍できる場所も多いのが特徴です。
社会福祉主事任用資格を持っている場合、社会福祉士の資格は次の方法で取得できます。
- 1.相談援助実務を2年以上経験する
- 2.短期養成施設等に6ヶ月以上通う
- 3.社会福祉国家試験を受験する
社会福祉士のくわしい仕事内容や資格取得の方法は、こちらの記事でくわしく解説しています。
番外編・他の職種の将来性は?
最後に、他の職種の将来性について簡単に紹介します。
社会福祉士の将来性
社会福祉主事からのキャリアアップが見込める社会福祉士。
さまざまな社会問題に対して幅広く対応できるので、需要の高い仕事です。
分野横断的に支援ができる人材が求められていることからも、社会福祉士は将来性があると言えるでしょう。
生活相談員の将来性
生活相談員はデイサービスなどの介護施設で、利用者の相談・調整業務を行います。
社会福祉主事任用資格を活かして、生活相談員として働く方も。
生活相談員は、介護施設における配置基準が法律で決められています。
高齢化が進み、介護施設の増設が求められる中で、生活相談員の需要はますます増えていくと予想されます。
まとめ:社会福祉主事の将来性は?キャリアアップに役立つ資格
社会福祉主事は、市役所や福祉事務所などで主に生活保護に関する業務を行います。
生活保護の受給者の半数を高齢者が占めているため、高齢化が進むにつれて社会福祉主事の需要も増えていくと予想されます。
社会福祉主事は将来性のある仕事ですが、他の職種と連携したり、専門性を高めたりすることを意識すると、さらに活躍できる人材になれるでしょう。
さらに、経験を積む、または他の資格を取得することで、活躍の幅がより広がります。
今後やるべきことをよく考えて、より将来性のある社会福祉主事を目指しましょう!