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【令和最新版】サービス提供責任者の給料の動向を解説
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サービス提供責任者とは、介護事業者で提供される訪問介護サービスの責任者です。
他の業界にたとえると、係長や課長のようないわゆるホームヘルパーのリーダー役として、訪問介護サービスをとりしきります。
どの職種でも上の立場になればなるほど、現場の仕事だけではなく、部下を管理・指導する仕事も増えてくるものです。
背負う責任が大きくなればそのぶん給料もアップするのが理想ですが、果たしてサービス提供責任者はその労働に見合った給料をもらうことができるのでしょうか?
そこでこの記事では、サービス提供責任者の年収や月給、賞与などそのもらえるお給料の実態について詳しく解説していきます。
目次
サービス提供責任者の業務内容
サービス提供責任者とは、介護事業書で提供される訪問介護サービスの責任者のことです。
サービス提供責任者は、ケアマネージャーが作成したケアプランをもとに、訪問介護計画書を作成。
その訪問介護計画書に沿って適切な介護が行われるよう、事業所内のヘルパーを指導・管理するのが主な業務内容です。
サービス提供責任者の配置基準
訪問介護事業所では利用者が質の高い介護サービスを受けられるよう、1名以上のサービス提供責任者の配置が義務付けられています。
介護事業所の直近3ヶ月の利用者数に応じて、サービス提供責任者の必要人数は以下のように異なります。
直近3ヶ月の利用者数 | サービス提供責任者 |
---|---|
40人以下 | 常勤で1人以上 |
41人〜80人以下 | 常勤で2人以上 |
81人〜120人以下 | 常勤で3人以上 |
121人〜160人以下 | 常勤で4人以上 |
161人〜200人以下 | 常勤で5人以上 |
当然といえば当然ですが、事業所の利用者人数が増えるにしたがって、介護サービスを監督するサービス提供責任者の必要人員も多くなります。
しかし2015年からは、このサービス提供責任者の人員配置に関する特例が追加。
利用者や介護サービスをきちんと監督できる環境が整っている場合は、以下のような人員配置が可能になりました。
直近3ヶ月の利用者数 | サービス提供責任者 |
---|---|
150人以下 | 常勤で3人以上 |
150人超 | 50人増加ごとに常勤1人追加 |
介護環境さえ良好であれば、直近3ヶ月の利用者50人につき、サービス提供責任者は1名でもよくなったということですね。
ちなみに良好な介護環境とは、以下の3つの要件を満たした場合とその定義が定められています。
- 常勤のサービス提供責任者が3名以上配置されている
- サービス提供責任者業務を主として勤務する従業員が1名以上配置されている
- サービス提供責任者の業務が、ITの活用などで効率化されている
ちなみに、サービス提供責任者業務を主とする従業員とは、サービス提供責任者の役職に就いており、ヘルパーとしての労働時間が月30時間以内の者を指します。
介護事業所によっては、サービス提供責任者はヘルパー役を兼務することがあるためです。
サービス提供責任者の給与は?
サービス提供責任者は、事業所によってその配置人数も決められている、訪問介護のリーダー的ポジションです。
このため介護福祉士からのキャリアアップとしてもよく選ばれる、サービス提供責任者の道ですが、果たしてそのお給料はいくらぐらいなのでしょうか?
サービス提供責任者の年収
令和元年(最新版)の介護労働実態調査によると、サービス提供責任者の平均年収は、約355万円です。
日本の平均年収は約422万円なので、その需要に反して給与は全国平均よりもやや低い傾向にあります
が、その類似職であるヘルパーは年収297万円で、社会福祉士・介護福祉士の年収は310万円となっています。
サービス提供責任者という役職について増えた責任が、給料に反映されているんですね。
ちなみに介護職全体の平均年収は335万円ですので、サービス提供責任者の給料は、ほぼ介護業界の年収の平均値といえるでしょう。
サービス提供責任者の月給
令和元年(最新版)の介護労働実態調査によると、サービス提供責任者の月給は24万6373円となっています。
資格の取得や勤続年数などで、20代後半以降からゆるやかに昇給。
ヘルパーの平均月給は、21万2455円。
介護福祉士・社会福祉士の月給は21万2455円であることを考えると、やはり管理職であるぶん一般の介護職員よりも、給与は高い水準にあるといえます。
サービス提供責任者の賞与(ボーナス)
介護事業所によって異なりますが、サービス提供責任者の賞与は年2回が基本。
サービス提供責任者がもらえる賞与の平均額は、59万9029円です。
ただし事業所によってはサービス提供責任者になる前と後で、賞与の額面が変わらないこともあるので注意が必要です。
非常勤のサービス提供責任者の給与は?
ここまで、サービス提供責任者として正社員(常勤)で働く場合の給料について見てきました。
各都道府県によって配置基準が異なりますが、サービス提供責任者は派遣、パート・アルバイトなどの非常勤としても働くことが可能です。
派遣社員の場合、年収は280万円程度。月給に直すと23万円前後、時給だと1050円程度が額面でもらえます。
一方、パート・アルバイトとして働く場合、平均的な時給は1037円前後です。
サービス提供責任者は訪問介護における管理職。
非正規雇用だと責任が取れる範囲に限りがあるので、必然的に任せられる業務の幅も狭まります。
常勤と非常勤の給与の違いは、こういった業務量やボーナスの差から生じるものです。
ただ、パートや派遣・アルバイトの場合は残業代がつくので、働いた分がきちんと給料に反映されるというメリットもあります。
サービス提供責任者と他の介護職種の給料を比較
それでは次に、サービス提供責任者の給料を他の介護職種と比べてみましょう。
年収いよび月給の面から、サービス提供責任者と生活相談員、ケアマネジャー(介護支援専門員)、看護職員、介護福祉士および社会福祉士、訪問介護員(ヘルパー)を比較します。
職種 | 年収 | 月給 |
---|---|---|
看護職員 | 390万2054円 | 26万7533円 |
ケアマネジャー (介護支援専門員) |
376万8282円 | 25万7279円 |
生活相談員 | 366万9087円 | 25万1614円 |
サービス提供責任者 | 355万5505円 | 24万6373円 |
介護福祉士 社会福祉士 |
309万1448円 | 21万2455円 |
訪問介護員 (ヘルパー) |
297万4281円 | 21万2281円 |
【参考】令和元年度介護労働実態調査:事業所における介護労働実態調査結果報告
給料が高い順に並べると、介護職種のうち最も給与水準が高いのは看護師!
サービス提供責任者は、他の管理職と比べるとやや給料が低い傾向にありますが、それでも介護業界第4位の給与水準を誇っています。
サービス提供責任者として昇給する方法
介護事業所で働くサービス提供責任者として昇給するには、主に以下の3つの方法があります。
- 資格を取る
- 役職手当がもらえる会社に転職する
- 処遇改善加算のある会社に転職する
資格をとる
昇給制度の仕組みは介護事業所によって様々です。
勤続年数や利用者の担当人数など、具体的な評価制度を設けているところもあれば、明確な基準が存在しない会社も存在します。
その中には実務者研修や介護福祉士などの資格を取得しているだけで、資格手当として1ヵ月あたり数万円支給されるような事業所も。
このように、資格を取得することで昇給する介護事業所を選べば、頑張り次第で簡単に自分のもらえるお給料をアップさせることができます。
役職手当がもらえる会社に転職する
サービス提供責任者は、訪問介護サービスをとりしきり、ヘルパーをまとめる管理職。
このため事業所によっては、サービス提供責任者になることによって、最大3万円ほどの管理職手当・役職手当が出ることがあります。
しかし、管理職になると残業代はつかなくなります。
サービス提供責任者の経験は、今後のキャリアアップに必ず役立ちますが、給与面のみで考えるなら、手当と残業代をしっかり計算して、損をしない働き方を選びましょう。
処遇改善加算がある職場に転職する
サービス提供責任者の給与を上げるためには、処遇改善加算がある職場に転職するというのも一つの手です。
処遇改善加算とは、介護の現場で働く給与面の改善を目的として創設された制度。
より働きやすい介護環境を整えている事業所に、介護士の給与に充てるための助成金が支給われる仕組みです。
労働環境が整備され、労働に見合った給料がもらえる事業所なら、介護職員も長くその職場で働いてくれます。
このようち処遇改善加算されている事業所には、介護業界で問題となっている離職率や人手不足を解消する効果があるので、国も経済的に力を貸してくれるんですね。
つまり処遇改善加算されている事業所は、働きやすい環境で適切なお給料がもらえるホワイト企業!
サービス提供責任者をはじめ介護職員と就職するのにおすすめの職場です。
訪問介護のリーダーとなってキャリアを高めよう
サービス提供責任者の給料は、介護職の中でも第4位の高水準。
ヘルパーをまとめる管理職とだけあって、責任が重いぶん一般の介護士よりもより多くの給与がもらえます。
給与面だけでなく、その経験は今後介護業界で活躍するのにも必ず役に立ちます。
介護職員として働くなら、キャリアアップの道の一つとして、まずはサービス提供責任者を目指してみてはいかがでしょうか。