介護資格・職種 情報

精神保健福祉士になるには?資格を取得する方法を詳しく解説

精神保健福祉士は、社会福祉の分野の中でも精神的な障害を抱える人のサポートをする仕事です。
その仕事内容から、精神科ソーシャルワーカー(PSW)とも呼ばれます。

社会福祉士や介護福祉士と同じく福祉系の国家資格であり、試験を受ける際には受験条件を満たしていることが必要です。

この記事では、精神保健福祉士になるための方法や必要な資格を始めとして、その他にも給料や仕事内容など、気になる精神保健福祉士の情報を紹介します。
精神保健福祉士に関する内容がギッシリ詰まっているため、この記事を読むだけで精神保健福祉士のことが理解できるでしょう。

精神保健福祉士に必要な資格

精神保健福祉士ルート図

精神保健福祉士は、社会福祉士や介護福祉士と共に、福祉系の三大資格とされている貴重な国家資格です。
精神保健福祉士の資格を持っていなくても業務を行うことはできますが、精神保健福祉士と名乗って仕事をするためには資格が必要になります。

精神保健福祉に関する豊富な知識と技術を証明できる資格なので、取っておくことで今後のキャリアを有利に進めることができるでしょう。

試験を受けるには受験条件を満たす必要があり、以下の5つのルートがあります。

  • 福祉系の4年制大学ルート
  • 福祉系の短大ルート
  • 社会福祉士登録者ルート
  • 福祉系以外の4年制大学、短大ルート
  • 実務経験ルート

ちなみに、これは社会福祉士になるためのルートとほとんど同じです。
社会福祉士と精神保健福祉士は試験日も同じのため、精神保健福祉士の資格を持っていなくても業務を行うことはできますが、精神保健福祉士と名乗って仕事をするためには資格が必要になります。

精神保健福祉士を目指している人は社会福祉士の資格も一緒に取ることが可能になっています。

社会福祉士の仕事内容や資格については、こちらの記事をチェック!

この5つのルートについて、詳しく紹介していきます。

精神保健福祉士になる方法①福祉系4年制大学ルート

福祉系の4年制大学に入学した人が精神保健福祉士になるには、細かく分けると、以下の2通りのルートが存在します。

  • 福祉系の4年制大学で、指定科目を履修すること
  • 福祉系の4年制大学で、基礎科目を履修した後、短期養成施設に6ヵ月以上通うこと

福祉系の4年制大学で、どの科目を履修したかによって、卒業後のルートが変わります。

指定科目を履修すれば、そのまま精神保健福祉士の国家試験を受験することができます。
一方で、指定科目を履修しておらず基礎科目のみ履修した場合には、卒業後に6ヵ月以上、短期養成施設に通うことが必要です。

精神保健福祉士になる目的で福祉系の4年制大学に入学するのであれば、きちんと指定科目を履修できるかどうか、カリキュラムを確認しましょう。

精神保健福祉士になる方法②福祉系の短大ルート

福祉系の短期大学に入学した人が精神保健福祉士になるには、細かく分けると、以下の4通りのルートが存在します。

  • 福祉系の3年制の短大で指定科目を履修した後、相談援助の実務経験を1年積むこと
  • 福祉系の2年制の短大で指定科目を履修した後、相談援助の実務経験を2年積むこと
  • 福祉系の3年制の短大で基礎科目を履修した後、相談援助の実務経験を1年積み、短期養成施設に6ヵ月以上通うこと
  • 福祉系の2年制の短大で基礎科目を履修した後、相談援助の実務経験を2年積み、短期養成施設に6ヵ月以上通うこと

福祉系短大ルートのポイントは、以下の2つです。

  • 何年制の福祉系短大に通ったか
  • どの科目を履修したか

この2つのポイントにより、ルートが変わります。

まず、通った短大が3年制か2年制かと言うことですが、3年制であれば実務経験は1年で済み、2年制の短大であれば2年必要となります。
また、指定科目を履修している場合には、短大を卒業して実務経験を積むことで、精神保健福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。

一方で、基礎科目のみ履修した場合には、短大を卒業した後に実務経験を積み、その後に短期養成施設に6ヵ月以上通う必要があります。

精神保健福祉士になる方法③福祉系以外の4年制大学、短大ルート

福祉系以外の一般の大学や短大を卒業した方でも、精神保健福祉士になることができます。
以下の3つのルートです。

  • 福祉系以外の一般の4年制大学を卒業した後、一般養成施設に1年以上通うこと
  • 福祉系以外の一般の3年制の短大を卒業した後、相談援助の実務経験を1年積み、さらに一般養成施設に1年以上通うこと
  • 福祉系以外の一般の2年制の短大を卒業した後、相談援助の実務経験を2年積み、さらに一般養成施設に1年以上通うこと

どのルートも精神保健福祉士の受験資格を得るまでに5年以上はかかります。
とはいえ、福祉系以外の大学を卒業した方でもチャンスがあるので、しっかり勉強して受験資格を手に入れましょう。

精神保健福祉士になる方法④社会福祉士登録者ルート

社会福祉士の国家試験に合格して、社会福祉士の登録をしている人は、短期養成施設に6ヵ月以上通うことで、精神保健福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。
社会福祉士と精神保健福祉士の受験ルートはほとんど同じで、試験科目も重なる部分が多いことから、このようになっているのでしょう。

精神保健福祉士になる方法⑤実務経験ルート

働きながら実務経験を積むことで、精神保健福祉士国家試験の受験資格を得ることができます。
病院や施設などで相談援助業務を4年間経験したあと、一般養成施設に1年以上通うことが必要です。

社会人から精神保健福祉士になるには?

社会人から精神保健福祉士になるには?

社会人で「精神保健福祉士になりたい」と考えている方には、「実務経験ルート」がおすすめです。

相談援助業務は精神保健福祉士の資格を持っていなくてもできます。
そのため、実際に病院や施設などで働きながら4年間の実務経験を積み、その後に精神保健福祉士の一般養成施設で1年間精神保健福祉士について知識を深めましょう。
そうすることで、精神保健福祉士の受験資格を満たすことができます。

精神保健福祉士の仕事内容

精神保健福祉士の仕事内容

精神保健福祉士は、精神的に障害を抱える人が社会でよりよく生活するためのサポートをする仕事です。
精神保健福祉士が活躍している場所は多く、その職場によって仕事内容も異なります。
とはいえ、基本となる業務は同じです。

ここでは、精神保健福祉士の仕事内容を見ていきましょう。

精神保健福祉士の仕事内容①相談業務

心に病を抱えた人は、毎日の生活を送ることに困難を抱えています。
その困難を軽減するために、患者さんの相談に乗って的確なアドバイスをするのが、精神保健福祉士の仕事です。

患者さんの中には、自分の思っていることを言葉にできず、心を開くことができない方も多く存在します。
患者さん1人1人に合わせた方法で、柔軟に対応することが必要です。

また、患者さんに適した公的な制度やサービスを見極めて、「こんなサービスがあるので、受けてみてはいかがですか?」といったように案内をすることもあります。

精神保健福祉士の仕事内容②各種手続きの代行

精神的な病を抱えている人が受けられる制度やサービスは多く存在するものの、役所や病院に患者さん自身が手続きに行くことが難しい場合もあります。
そのようなときには、精神保健福祉士が代理で手続きに行くことができます。

患者さんの住居や仕事、学校に関する手続きや、医療費や生活費の受給など、種類は幅広いです。
少しでも患者さんの負担を軽減するために、手続きの代行業務も、精神保健福祉士の大切な仕事の1つになっています。

精神保健福祉士の仕事内容③日常生活の練習(訓練)

病院での入院期間や、施設での入所期間が長い患者さんは、いざ病院や施設を出ようとしたときに、なかなかスムーズに行くことは難しいものです。
これからの日常生活に適応して社会復帰するために、患者さんの日常生活の練習を行うことも精神保健福祉士の仕事になります。

日常生活における家事や掃除、社会で生活するためのルールなどを確認して、簡単なゲームや実際の練習を積み重ねるものです。
一見すると簡単そうに見えますが、患者さんによってできることが異なります。
1人1人にレベルを合わせ、臨機応変に対応することが必要です。

精神保健福祉士の仕事については、こちらの記事をチェック!

精神保健福祉士の年収・給料

精神保健福祉士の年収・給料

精神保健福祉士は、社会福祉士と介護福祉士と共に、福祉系の三大国家資格とされている貴重な資格です。
この資格は誰でも取得できるわけではなく、心の病を抱える人が年々増えている現代において、ますます需要が高まっています。

厚生労働省の公式のデータは出ていませんが、あらゆる情報をまとめた結果、平均年収300〜400万円と言われています。
月給にすると20〜30万円です。
福祉系の一般的な職員の平均年収は約300万円となっているので、比較的高いと言えるでしょう。

精神保健福祉士として働く職場によって、給料が異なります。
精神科の病院や精神保健センターでは、高めに設定されています。

精神保健福祉士に向いている人

精神保健福祉士に向いている人

精神保健福祉士に向いている人は、以下のような人です。

  • 相談に乗ることが得意な人
  • 試行錯誤することが得意な人

この2つについて、詳しく紹介します。

相談に乗ることが得意な人

精神保健福祉士の業務として、メインとなるのが相談業務です。
患者さんの話を聞き、どんな障害を抱えているのか、その原因は何なのか、詳しく聞き取りをする必要があります。

自分の思いを上手く言葉にして伝えることが苦手な方も多いので、その思いを汲み取って判断して行く状況も多いです。
相手の話をしっかりと聞き、的確なアドバイスができる方が、精神保健福祉士に向いていると言えます。

試行錯誤することが得意な人

精神保健福祉士が関わるのは、精神的に病を抱えている患者さんです。
そのため、当たり前とされている手段をそのまま患者さんに適用しても、上手くハマらないことが多いです。

「様々な手段を試して、ダメだったら違う方法を試してみる」というような試行錯誤して、自分なりに工夫することができる人が、精神保健福祉士に向いていると言えるでしょう。

精神保健福祉士の将来性

精神保健福祉士の将来性

近年では、高齢化や生活保護、家庭内暴力(DV)、障害福祉、児童福祉など、社会福祉に関する問題が多く、これからの日本の課題とされています。
その中でも、日常や社会生活でのストレスから、心に病を抱えてしまう人が多いです。

そのため、このような精神障害に対処する精神保健福祉士が求められており、今後はさらにニーズが高まると言われています。

また、精神保健福祉士は、仕事内容や試験科目が社会福祉士と重なる部分が多いです。
そのため、資格を取得することで、社会福祉士としても働くことができ、活躍の場がたくさん用意されています。
このようなことからも、精神保健福祉士の未来は明るいと言えるでしょう。

精神保健福祉士の活躍の場所

精神保健福祉士の活躍の場所

精神保健福祉士の職場は、実に様々です。

  • 精神科の病院、クリニック
  • 介護施設
  • 就労支援事業所
  • 保健所、精神保健福祉センター
  • ハローワーク
  • 児童相談所
  • 一般企業

これ以外にも、精神保健福祉士が働いている場所は多く存在します。
様々な場所で活躍できることも、精神保健福祉士の強みであると言えるでしょう。

精神保健福祉士の1日のタイムスケジュール

精神保健福祉士の1日

ここで、精神保健福祉士として働く場合のスケジュールを紹介します。
あくまでも一例なので、働く施設によって異なります。

  • 9時  出勤、ミーティング
  • 9時半 患者の健康チェック
  • 10時 新規の患者さんの相談に応じる
  • 12時 1時間のお昼休憩
  • 13時 ゲームなどを通して日常生活の練習をする。
  • 16時 事務作業
  • 17時 ミーティング
  • 18時 退勤

大まかなタイムスケジュールは決まっていますが、ぴったり予定通りに行くことはありません。
その日によって柔軟な対応が求められます。

精神保健福祉士を志すきっかけ

精神保健福祉士を志すきっかけ

精神保健福祉士を目指す人は、「人の役に立ちたい」と、強い思いを抱いている人が多いです。
幼い頃に職業体験で福祉職の素晴らしさを体験した人や、実際に自分や家族が精神保健福祉士に関わった経験から、精神保健福祉士を志すようになったという人もいます。

福祉の仕事ほど、人から直接感謝の言葉をもらう職業はないでしょう。
それだけやりがいのある、魅力的な仕事だといえます。

精神保健福祉士と、他の職業との違い

精神保健福祉士と、他の職業との違い

精神保健福祉士と仕事内容が似ている他の職業を紹介します。

精神保健福祉士と社会福祉士の違い

精神保健福祉士と社会福祉士は、どちらも社会福祉の分野で活躍する職業です。

社会福祉士は、社会福祉に関する問題を抱える人全てを対象とします。
一方で、精神保健福祉士は、社会福祉の分野の中でも精神的に障害を抱える人に特化しています。
社会福祉士よりも、より専門的な障害者支援の知識と技術を持ち合わせているため、障害者支援のスペシャリストと言えるでしょう。

社会福祉士の仕事内容や資格については、こちらの記事をチェック!

ニーズのある精神保健福祉士の資格を取得しよう!

精神保健福祉士の資格を取得しよう

今回の記事では、精神保健福祉士になるために必要な資格について紹介しました。
精神保健福祉士は、社会福祉士や介護福祉士と共に福祉系の三大国家資格と言われており、心の病を抱える人が増えている現代において、これからますます活躍が期待されている存在です。

資格を取得するには受験条件を満たしている必要があり、5つのルートから選ぶことができます。

需要が高まる精神保健福祉士の資格を取得して、憧れの精神保健福祉士になりましょう!

著者の画像

ゆかっち

新卒で介護職を経験し、介護の仕事の魅力を体感しました。現在は「介護ノート」の運営者として、介護職の厳しさだけでなく魅力を伝えるために活動しています。