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生活相談員の将来性を考える〜介護業界でのキャリアアップ
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デイサービスや当別養護老人ホームで、施設の顔として働く生活相談員。
施設の利用者やその家族が快適にサービスを利用できるよう、相談・調整業務をおこなうのが主な仕事内容です。
今後、本格的で介護業界で働こうと考えている人ならば、介護職員から生活相談員にキャリアアップ。
そのあと、ケアマネジャーや施設長などその先を見据えている人も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、生活相談員の現状と今後の需要をふまえて、その将来性について分析していきます!
目次
生活相談員の現状
生活相談員の仕事は、老人ホームなどの施設利用者が、安心かつ快適にサービスを利用できるようつとめることです。
具体的には、介護支援利用者の悩みや不安に耳をかたむける相談業務。
そしてその問題解決に向けて、ケアマネジャーや担当の介護スタッフと調整をおこなう調整業務とがあります。
生活相談員として働いている人の多くは、社会福祉士や社会福祉主事任用資格を持っていることが多いです。
生活相談員が働ける職場
生活相談員は、主に以下のような介護施設で働くことができます。
- ショートステイ
- 特別養護老人ホーム
- 有料老人ホーム
- 小規模多機能型施設
- 介護老人保健施設
生活相談員の主な仕事は、利用者の相談業務、さらには介護職員の調整業務が基本です。
しかし、介護施設の規模によっては、介護業務を兼任したり、利用者の送迎を行なったりすることもあります。
生活相談員の配置基準
生活相談員は、施設ごとにその配置人数が決められています。
施設名 | 利用者数 | 生活相談員 |
---|---|---|
特別養護老人ホーム | 100人 | 常勤1名以上 |
介護老人保健施設 | 100人 | 常勤1名以上 |
短期入所生活介護 | 100人 | 常勤1名以上 |
デイサービス | – | サービス提供時間以上 の常勤1名以上 |
入所施設は、利用者数に応じて生活相談員の配置人数が決まっています。
それに対してデイサービスは、サービスの提供時間以上にはたらく生活相談員が必要です。
たとえば、サービス提供時間が6時間のデイサービスの場合、1日8時間はたらく常勤の生活相談員を配置。
すると、毎日2時間の余剰時間は、管理者や介護職員などのほかの職種との兼任にあてることができます。
生活相談員の今後の需要と問題点
高齢化がとまらない日本では、生活相談員の職場となる介護施設の増設をのぞむ声が多くあがっています。
それにくわえて、生活相談員はそういった介護施設における配置基準が法律で決められていますから、今後もその需要は高まっていくでしょう。
その一方で生活相談員は「介護の便利屋さん」と呼ばれるほどその仕事内容が多岐にわたります。
このため、所属する施設や規模によっては、生活相談員の負担が年々大きくなっているという問題も指摘されています。
生活相談員は処遇改善加算の対象外
残念ながら生活相談員は、介護処遇改善加算の対象外となっています。
介護処遇改善とは、介護業界の人手不足や賃金問題を解消するために導入された制度です。
質の良い介護サービスや職場環境の整備など、一定の条件を満たした事業所・施設に対して、国からお金が給付。
そこで働く介護職員の賃金に上乗せされるという仕組みです。
処遇改善加算として支払われたお金は、すべて職員に還元しなければならないというルールがあるので、組織が使い込んでしまうことはまずありません。
このように、職場環境の整備や介護業界の低賃金問題にメスを入れた、処遇改善加算ですが、対象となるのは介護職員・介護従事者のみ!
直接介護を行う職種にしか適用されないため、生活相談員の業務のみに従事している場合はその対象から外れてしまいます。
このためもし、介護職員改善加算の恩恵を受けたいなら、生活相談員とともに現場で介護をおこなう介護職員の仕事も兼務する必要があるんですね。
生活相談員のキャリアアップは?
生活相談員の主たる業務である相談・調整を、さまざまな職種の人と協力してこなします。
施設内の介護スタッフやケアマネジャーはもちろん、施設外でも他の介護施設・医療施設の人と関わるので、どんどん知識が身につく仕事です。
このため生活相談員の次のステップとしては、介護サービス利用者のケアプランを考えるケアマネジャー(介護支援専門員)や、管理者である施設長などが見えてきます。
また、生活相談員は施設の顔として地域中に顔を出すため、その経験を買われて、新設する介護施設の管理者としてスカウトされたという話も。
このように生活相談員の仕事は、施設内で人を動かすマネジメント力や、介護知識が身につくため、介護業界のキャリアアップに繋がります。
生活相談員の将来性
高齢社会の進行により、介護職の需要が高まる日本で、生活相談員は特にこれから重宝される職種です。
今後、在宅介護支援センターや特別養護老人ホーム・老人福祉関係施設など、生活相談員が必要とされる施設は増設。
その必要性から配置人数も法律で決められているため、働く場所にはまず困らないでしょう。
また、介護業界に長く身を置くことを考えている人にとっても、生活相談員はおすすめの介護職種です。
デイサービスなど日勤が基本の施設を選べば、妊娠や出産を控える家庭を持った女性でも働きやすいので安心。
それと同時に他職種と多く関わる仕事であるため、ケアマネジャーや施設管理者などのキャリアアップのための経験値も十分に積むことができます。
このように今後の需要やキャリアアップなどの観点から総合的に考えると、生活相談員は介護業界の中でも特に将来性のある仕事だといえるでしょう。
生活相談員として介護業界でキャリアを積もう
生活相談員は、介護福祉のエキスパート!
社会福祉士の資格を取得したり、介護職員として現場で実務経験を積むことで、介護事業書や施設で、生活相談員として雇ってもらうことができます。
生活相談員が主に担当する、相談・調整業務は、他職種と連携することの多い仕事。
介護保険制度や実際の介護サービス、ケアプランなどさまざまな問題にかかわるので、自然と多くの介護の知識が身につきます。
このように幅広い業務をこなしていれば、ケアマネジャーや管理者など、次のステージも見えてきますから、介護業界で長く働きたいのなら!
まずは、「介護の何でも屋さん」とよばれる生活相談員の仕事を全うできるよう、じっくりキャリアを積みましょう。