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ケースワーカーになるには?必要な資格を詳しく紹介

市区町村の福祉事務所で生活困窮者に対応するのが、ケースワーカーの仕事です。
ケースワーカーになるには、「社会福祉主事任用資格」を取得して公務員試験に合格する必要があります。

この記事では、ケースワーカーに必要な資格を始めとして、その他にも給料や仕事内容など、気になるケースワーカーの情報を紹介します。
ケースワーカーに関する内容がギッシリ詰まっているため、この記事を読むだけでケースワーカーのことが理解できるでしょう。

ケースワーカーに必要な資格

ケースワーカーに必要な資格

市役所や区役所などでケースワーカーとして働くためには、「社会福祉主事任用資格」を取得したのち、公務員試験に合格する必要があります。
公務員試験は各自治体ごとに行われるので、受験する自治体に直接申し込んで試験を受けましょう。

ケースワーカーに必要な資格「社会福祉主事任用資格」

ケースワーカーになるには、「社会福祉主事任用資格」という資格が必要です。
任用資格というのは、「社会福祉主事になれる資格があることを証明する」資格のことで、これを持っているだけでは社会福祉主事を名乗ることができません。
資格を取得した後に公務員試験を受けて合格することで、ケースワーカーとして働くことができます。

社会福祉主事任用資格を取得する方法として、以下のように5つのルートがあります。

  • 大学、短大ルート
  • 通信教育ルート
  • 養成機関ルート
  • 講習会ルート
  • 国家資格ルート

なお、社会福祉主事任用資格を取る際に試験などはなく、選んだルートを修了することで社会福祉主事認定資格を得ることができます。
この5つのルートについて、詳しく紹介していきます。

社会福祉主事の仕事内容や資格については、こちらの記事をチェック!

社会福祉主事任用資格を取る方法①大学・短大ルート

大学や短大において、社会福祉に関する指定の科目を3つ以上履修して卒業することで、社会福祉主事の任用資格を得ることができます。
指定科目は年代によって変化しているため、自分の年代の科目を確認しましょう。

指定科目は、以下のようになっています。

昭和25年~昭和56年卒業者(昭和25年8月29日 厚生省告示第226号)
社会事業概論、社会保障論、社会事業行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、児童福祉論、社会学、心理学、社会事業施設経営論、社会事業方法論、社会事業史、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論、修身

昭和56年~平成11年卒業者(昭和56年3月2日 厚生省告示第18号)
社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、精神薄弱者福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉事業方法論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論

平成11年~平成12年卒業者(平成11年3月22日 厚生省告示第52号)
社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、知的障害者福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉事業方法論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会調査統計、医学知識、看護学、精神衛生学、公衆衛生学、生理衛生学、栄養学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、協同組合論、法律学、刑事政策、犯罪学、医療社会事業論

平成12年~現在までの卒業者(平成12年3月31日 厚生省告示第153号)
社会福祉概論、社会保障論、社会福祉行政論、公的扶助論、身体障害者福祉論、老人福祉論、児童福祉論、家庭福祉論、知的障害者福祉論、精神障害者保健福祉論、社会学、心理学、社会福祉施設経営論、社会福祉援助技術論、社会福祉事業史、地域福祉論、保育理論、社会福祉調査論、医学一般、看護学、公衆衛生学、栄養学、家政学、倫理学、教育学、経済学、経済政策、社会政策、法学、民法、行政法、医療社会事業論、リハビリテーション論、介護概論

自分が履修した科目と、この一覧に乗っている科目の名称が、原則同じでなければなりません。
ただし、例外もありますので厚労省の公式サイトで確認してみましょう。

社会福祉主事任用資格を取る方法②通信教育ルート

以下の2つの学校のうち、どちらかで1年間学ぶことで、社会福祉主事の任用資格を得ることができます。
通信教育なので、先ほどの大学や短大よりも費用を抑えられるところがメリットです。

社会福祉主事任用資格を取る方法③養成機関ルート

社会福祉主事養成機関とは厚労省が指定する養成機関で、22科目1,500時間のカリキュラムを修了して社会福祉主事の任用資格を得ることができます。
平成31年4月現在で、社会福祉主事養成機関は全国に37校あり、こちらのサイトでお近くの養成機関を探すことが可能です。

社会福祉主事任用資格を取る方法④講習会ルート

都道府県などが開催する講習会に参加することで、社会福祉主事の任用資格を得ることが可能です。
講習会の案内は、お住いの都道府県によって異なります。
ここでは、東京都を例にとって講習会について確認していきましょう。

東京都では、東京都福祉保健局が「社会福祉主事資格認定通信課程」という講習会を開いています。
こちらは、社会福祉主事の仕事をするために必要な基本的な知識と技術を、通信教育をベースにして学ぶことができる講習です。
通学が4日間ありますが、基本的には通信教育で学べる内容となっています。

カリキュラムは、19科目279時間となっているため、5つのルートのうち、最も短期間で社会福祉主事になれるルートと言えるでしょう。
そのため、早く社会福祉主事任用資格を取得したい方におすすめです。

社会福祉主事任用資格を取る方法⑤国家資格ルート

最後は、社会福祉主事の上級資格となる、福祉系の国家資格を取得するルートです。
対象となる資格は、以下の2つです。

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士

この2つの資格のうち、どちらかを取得することで、社会福祉主事の任用資格を得ることができます。
社会福祉士と精神保健福祉士は、どちらも社会福祉に関する国家資格で、介護福祉士と合わせて福祉系の三大国家資格と言われています。

社会福祉士は、社会福祉に関する総合的な知識と技術を証明できる資格です。
社会福祉主事の上級資格とも言われ、介護や生活保護、児童福祉、家庭内暴力(DV)など、社会福祉に関するあらゆる問題を抱える方をサポートします。

社会福祉士の仕事や資格については、こちらの記事をチェック!

精神保健福祉士は、社会福祉の中でも精神的な障害を抱えた人が対象になります。
現代社会においてストレスで心を病んでしまう方が増えている中、精神保健福祉士は心に病を抱えた人をサポートします。

ケースワーカーの仕事内容

ケースワーカーの仕事内容

市区町村の役所で働くケースワーカーは、人々が「健康的で文化的な最低限度の生活」を送るためのセーフティネットである、生活保護を担当する仕事です。

窓口に相談に来る人々は、生活に関する多種多様な悩みを抱えており、その背景も実に様々。
1人1人に合わせた柔軟な対応で、1日でも早く自立した生活を送れるように、ケースワーカーは日々奮闘します。

ケースワーカーの仕事内容①相談業務

市役所や区役所など、市区町村の役所には、お金がなく生活に困窮した人が相談に来ます。
相談者さんの相談に乗り、問題解決のために働きかけるのが、ケースワーカーです。

「なぜ生活に困窮しているのか、日々のお金遣いに問題はないのか」などをしっかりと聞き取り、必要と認められる場合には生活保護の受給申請をします。
生活保護費は国の税金で賄われているため、不正な受給のないように、しっかりと判断することが必要です。

ケースワーカーの仕事内容②生活保護受給者の管理

ケースワーカーは、1人つき数名の生活保護受給者を担当するようになっており、担当の生活保護受給者の管理をすることが業務の一環となっています。
定期的に受給者の自宅や病院を訪問して、現状確認を行います。

また、1日でも早く受給者が社会復帰できるように、仕事探しのアドバイスをしたり、ハローワークでの求人を紹介したりすることも大切な仕事です。
受給者1人1人に柔軟に対応し、自立した生活を送れるようになってもらうことに努めます。

ケースワーカーの年収・給料

ケースワーカーの年収・給料

役所で働くケースワーカーは、都道府県庁や市町村の役所で働く公務員です。
そのため、働く職場によって給料が変わります。
同じ職場でも「一般職」や「専門職」など雇用形態が異なれば、給料も異なるので、希望する自治体の公式サイトを確認してみましょう。

平成30年地方公務員給与実態調査結果の状況によると、一般職の平均年収は約441万円、専門職の平均年収は約445万円となっています。
やはり、公務員ということで一般的な福祉職よりは高い傾向にあります。
また、交通費や有給休暇が取りやすいと言った福利厚生が充実していることも、嬉しいポイントです。

ケースワーカーに向いている人

ケースワーカーに向いている人

ケースワーカーに向いている人は、以下のような人です。

  • 責任感が強い人
  • 精神的に強い人

この2つについて、詳しく解説します。

責任感が強い人

社会福祉主事は、公務員として業務において税金を扱います。
その1番の例が、ケースワーカーです。

ケースワーカーは、生活保護を受給する人に対して、生活保護が本当に必要かどうかを見極める必要があります。
生活保護費は国民の税金によって賄われているので、不正な受給は防がなければなりません。
そのため、相談者が必死に訴えたとしても、生活保護費の受給の要件に該当しないと判断される場合には、責任を持ってその旨を伝える必要があります。

国民の税金を扱うという責任感を持ち、業務に当たることができる人にとって、ケースワーカーの仕事は向いていると言えるでしょう。

精神的に強い人

ケースワーカーの元に来る生活困窮者の中には、心に余裕がないために強い口調や態度で接して来る方も多くいます。
自宅を訪問した際には、あまりにも悲惨な生活を目にしてしまい、精神を病んでしまうケースワーカーも少なくありません。

自分の正義を見失わず、強い心を持って生活困窮者と接することができる人が、ケースワーカーに向いているといえます。

ケースワーカーの将来性

ケースワーカーの将来性

近年では、高齢化や生活保護、家庭内暴力(DV)、障害福祉、児童福祉など、社会福祉に関する問題が多く明らかになり、これからの日本の課題とされています。
このような課題に対処する社会福祉系の職員が求められており、今後はさらにニーズが高まると言われています。

また、高齢化が進行するに従って、高齢者の生活困窮者も増えていくと言われています。
こうした現状に対応するため、役所におけるケースワーカーの需要は今後も高まるでしょう。

社会福祉主事の職場は、都道府県庁や市町村の役所、福祉事務所などの公的機関です。
生活保護を担当するケースワーカーや、介護や児童福祉など、様々な課で働くことになります。
社会福祉主事の資格を持っていることで、活躍の場が広がると言えるでしょう。

ケースワーカーの1日のタイムスケジュール

ケースワーカーの1日

市役所でケースワーカーとして働く場合の1日を見てみましょう。

  • 8:00 出勤。当日の予定を確認して仕事の準備
  • 9:00 生活保護受給を希望する人との面談
  • 10:00 Aさんの自宅に訪問調査。状況を確認
  • 11:00 市役所に戻り、Aさんの状況報告をまとめる
  • 12:00 1時間のお昼休憩
  • 13:00 Bさんが入院している病院にいき、状況を確認する
  • 14:00 市役所に戻り、Bさんの状況報告をまとめる
  • 15:00 生活に困っているとの相談があったので、市役所の窓口で対応する
  • 16:00 事務作業や電話対応。担当の生活保護受給者に、次に訪問する日の約束をする。
  • 17:30 退勤

大まかなタイムスケジュールは決まっていますが、ぴったり予定通りに行くことはありません。
その日によって柔軟な対応が求められます。

ケースワーカーの活躍の場所

ケースワーカーの活躍の場所

ケースワーカーの活躍の場所は、都道府県や市区町村の福祉事務所です。
他にも、社会福祉主事としての知識や経験を生かして児童福祉施設や障害者施設、介護施設、病院、地域の福祉センターなどで働くこともでき、活躍の場は広がっています。

ケースワーカーを志すきっかけ

ケースワーカーを志すきっかけ

ケースワーカーを目指す人は、「人の役に立ちたい」と、強い思いを抱いている人が多いです。
幼い頃に職業体験で福祉職の素晴らしさを実感した人や、実際に自分の家族が関わった経験から、ケースワーカーを志すようになったという人もいます。

福祉の仕事ほど、人から直接感謝の言葉をもらう職業はないでしょう。
それだけやりがいのある、魅力的な仕事だといえます。

ケースワーカーと他の福祉職との違い

ケースワーカーと他の福祉職との違い

ケースワーカーの他にも、同じ福祉職として活躍する職種が多く存在します。
ここでは、ケースワーカーと似ている職種の違いを確認していきましょう。

ケースワーカーとケアマネジャー

ケースワーカーとケアマネジャーは、名前は似ているものの、仕事内容は異なります。
ケアマネジャーの対象は高齢者で、高齢者が介護サービスを受ける際に必要となるプランを作成する仕事です。
一方で、ケースワーカーの対象は生活に困っている人全般で、生活に関する相談に乗ります。

ケアマネジャーの仕事内容や資格については、こちらの記事をチェック!

ケースワーカーと社会福祉士

ケースワーカーと社会福祉士は、どちらも社会福祉に関する職業という点では共通します。
社会福祉士の対象は、社会福祉に関する悩みを抱える人全てです。
一方で、ケースワーカーは生活困窮者に特化
しています。

社会福祉士の資格を持っていれば、ケースワーカーに必要な社会福祉主事の任用資格を得ることができるので、気になる方はチェックしてみてください。

社会福祉士の仕事内容や資格については、こちらの記事をチェック!

ニーズのあるケースワーカーの資格を取得しよう!

ケースワーカーの資格を取得しよう!

今回の記事では、ケースワーカーになるために必要な資格について紹介しました。
ケースワーカーになるには、「社会福祉主事任用資格」を取得して公務員試験に合格する必要があります。

ケースワーカーは精神力を必要とする一面もありますが、相談者や生活保護を担当した方から感謝の言葉を直接いただく機会が多い素敵な職業です。
仕事としてのやりがいや魅力はもちろん、活躍の場も広がっています。

需要が高まる社会福祉主事任用資格を取得して、ケースワーカーとして活躍しましょう!

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ゆかっち

新卒で介護職を経験し、介護の仕事の魅力を体感しました。現在は「介護ノート」の運営者として、介護職の厳しさだけでなく魅力を伝えるために活動しています。