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ケアマネジャーの給料は?気になる年収と勤務形態
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介護職員からキャリアアップして、ケアマネジャー(介護支援専門員)として働きたい方必見!
基本給から年収など、気になるケアマネージャーの給料について解説します。
労働に見合った報酬・待遇が受けられるのか、平均勤続年数や実労働時間などその勤務形態も調査。
その他、給料をアップさせるためのキャリアプランや将来の展望などについても分かりやすく説明していきますよ。
目次
ケアマネジャーの給料は?
厚生労働省の平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果によれば、常勤のケアマネジャーの給料は、月給350,320円。
ただしこれは手当や一時金などをプラスした金額で、ケアマネージャー(介護支援専門員)の平均基本給は217.690円となっています。
年代別のケアマネージャーの年収は、以下の表の通りです。
年代 | 平均年収 |
---|---|
20代 | 200〜300万円 |
30代 | 300〜400万円 |
40代 | 300〜400万円 |
50代 | 400〜700万円 |
初任給は20万円程度で、それ以降は資格取得や経験年数に応じてゆるやかに給与が増加し、月給換算すると28万円程度となります。
ケアマネージャー全体で見てみると、年収が300万円台という割合は約39%。
次いで400万円台という人が約29%という調査結果となりました。
日本人の平均年収は420万円(平成27年分 民間給与実態統計調査)なので、ケアマネジャーの年収は平均よりも若干低いといえるでしょう。
非正規雇用のケアマネージャーの給料
現在働いているケアマネジャーは約9割が常勤であり、非常勤のケアマネジャーは全体の約1割。
よって、ケアマネージャー(介護支援専門員)として働くなら常勤という選択肢が一般的となるでしょう。
ちなみに、非常勤のケアマネージャーの平均月給は229,050円。
パートやアルバイトでケアマネージャーとして勤務する場合、平均月給は約12万2500円。
平均時給は1453円というデータが出ています。
他の職種とケアマネジャーの給料を比較
日本人の平均年収より、若干低めの給与水準にあるケアマネージャー。
ですが同業である介護職の中では、その給料はどのような水準にあるのでしょうか?
厚生労働省による平成30年度介護従事者処遇状況等調査結果に載っている介護職の給与を高い順に並べてみました。
職種 | 月給 | 基本給 |
---|---|---|
看護職員 | 37万2070円 | 23万4150円 |
理学療法士・作業療法士 | 34万4110円 | 22万7070円 |
ケアマネージャー | 35万320円 | 21万7690円 |
生活相談員・支援相談員 | 32万1080円 | 21万570円 |
事務職員 | 30万7170円 | 20万8330円 |
管理栄養士・栄養士 | 30万9280円 | 20万6770円 |
介護職員 | 30万970円 | 18万1220円 |
調理員 | 25万4450円 | 17万6120円 |
介護職の給料の中で最も高いのは、看護職員の月給37万1100円。
次点で、理学療法士・作業療法士(言語聴覚士または機能訓練指導員)の34万3890円が2番目に高い給料となっています。
ケアマネジャーの平均月給35万320円はその2つに次いで、第3位!
上記の結果からケアマネージャーは、介護職の中では給与水準が高い方だということがわかりました。
居宅ケアマネと施設ケアマネ、より稼げるのはどっち?
ケアマネージャー(介護支援専門員)として働く場合、2つの働き方があります。
1つ目は、居宅介護支援事業所で働く居宅ケアマネ。
そして2つ目が、老人ホームや介護施設で働く施設ケアマネです。
それぞれの職場でケアマネージャーとして活躍する場合、働き方や給料にはどのような差があるのでしょうか?
居宅ケアマネの給料
ケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事は、介護が必要な高齢者や障害者のケアプランを作成すること。
そしてその中でも居宅ケアマネは、自宅で介護サービスを受けている人がサービスの対象です。
このため基本的には事業者内でケアプランを作成することが主な仕事内容。
たまに利用者訪問などで時間外勤務が発生することもありますが、大きな残業や夜勤などはありません。
このように残業代や夜勤手当が出ない分、施設ケアマネよりも給料は若干低めの傾向にあります。
施設ケアマネの給料
ケアプランの作成に集中する居宅ケアマネと違って、老人ホームや介護施設に所属する施設ケアマネは、介護スタッフを兼任することが多いです。
自らも介護の実務にあたるため、時間外業務や残業が多く、そのぶん給料も高い傾向にあります。
特に居宅ケアマネとの最大の違いは、夜勤手当がつくことです。
施設によって異なるものの、夜勤手当の金額は4000円〜8000円となっているため、その違いが給与に反映されます。
ケアマネジャーの勤務実態
ケアマネージャー(介護支援専門員)は介護職の中でも3番目に高い給与を得られることが分かりました。
しかし、就職では給与額と同等あるいはそれ以上に、労働環境の整備や勤務実態が大切になります。
そこで、給料以外にもケアマネジャーの平均年齢や勤続年数、実労働時間など細かい勤務実態について紹介します。
ケアマネジャーの平均年齢
従業員数 | 平均年齢 |
---|---|
10〜99人 | 50.6歳 |
100〜999人 | 48.2歳 |
1000人以上 | 47歳 |
10人以上の従業員が働くすべての事業所・企業・福祉施設などでケアマネージャーとして働く人の平均年齢は、48.9歳。
ケアマネジャー(介護支援専門員)の資格取得の要件が、
- 社会福祉士または介護福祉士の資格を取得してから5年
- 現場での実務経験5年以上
であることから、平均年齢は高めとなっています。
特に10人〜99人という従業者数の少ない介護事業所では、50.6歳と特に平均年齢が高くなっています。
ケアマネージャーの勤続年数
10人以上の従業員が働くすべての事業所・企業・福祉施設などで働くケアマネジャーの平均勤続年数は、約8年となっています。
従業員数 | |
---|---|
10〜99人 | 8.8年 |
100〜999人 | 9.3年 |
1000人以上 | 7.8年 |
ケアマネジャーの実労働時間・超過実労働時間数
10人以上の従業員が働く事業所で、ケアマネージャーの平均的な1か月の実労働時間は165時間。
超過実労働時間数は5時間となっています。
従業員数 | 実労働時間 | 超過労働時間数 |
---|---|---|
10〜99人 | 168時間 | 4時間 |
100〜999人 | 164時間 | 4時間 |
1000人以上 | 163時間 | 8時間 |
実労働時間数と超過労働時間数については、介護事業書の従業員数による差はほとんど見られませんでした。
ケアマネージャーとして働くメリット・デメリットは?
ケアマネジャーとして働くメリット
ケアマネジャー(介護支援専門員)として働くメリットはまず、介護職の中では年収が高い点があげられます。
さらに、介護職の1つの到達点と言われるだけあって、就職先も豊富。
居宅介護支援事業所・介護保険施設以外にも、グループホームや小規模多機能型居宅介護支援事業所、地域包括支援センターなど、様々な職場で重宝されます。
また、ケアマネジャー(介護支援専門員)の主な仕事内容は、介護利用者のケアプランを考えること。
利用者や介護サービス担当者との相談業務や、デスクワークが中心となるので、介護職員やヘルパーと違って肉体的な負担が少ないというメリットもあります。
特に居宅ケアマネは実際に利用者にケアを行うこともなく、勤務スケジュールも基本的には自分で調整できるので、ワークライフバランスがとれやすいと言えるでしょう。
ケアマネージャーとして働く悩みやデメリット
現在ケアマネジャー(介護支援専門員)として働く人の悩みは、大きく2つ挙げられます。
まず1つ目は、仕事に対する評価がなかなか給与に反映されないという賃金に関するもの。
そして2つ目は、「体調を崩しても休めない」「カレンダー通りに休めない」といった勤務形態に関する悩みです。
現代の日本では介護の需要は高まっているにも関わらず、その現場には十分な人員が配置されていません。
このためケアマネージャー(介護支援専門員)に限らず、たくさんの介護職員が過酷な労働環境に悲鳴を上げているというのが現場です。
特に施設ケアマネは介護スタッフを兼任するため、身体的にもハードな1日を送ることになります。
ケアマネージャーで給料をアップする方法
ケアマネジャー(介護支援専門員)は経験が重視される職業なので、経験年数とともに給与額は上昇していきます。
このような労働年数によるキャリアアップ以外に、ケアマネジャーが給料を上げるにはどんな方法があるでしょうか?
介護福祉士と兼任する
少しもらえるお給料を増やしたいのなら、ケアマネージャーと介護福祉士を兼任するという手段がおすすめ。
老人ホームや介護施設で施設ケアマネとして就任。
自らも介護スタッフとして働けば、残業代や夜勤手当がついてそのぶん稼ぐことができます。
主任ケアマネージャーになる
ケアマネジャー(介護支援専門員)として5年勤続すると、その上級資格である主任ケアマネジャー(主任介護専門員)の受験資格を得ることができます。
主任ケアマネジャーとはいわゆるケアマネージャーのまとめ役で、新人の指導から育成に携わる存在。
ケアマネジャーの中でも社会的にキャリアのある人と認知されるため、転職活動も有利に。
さらに公的な支援機関の地域包括支援センターなどにも就職先が広がるため、給料や労働条件の良い場所で働ける機会が増えます。
また、主任ケアマネージャーの資格をとらなくとも、同じ事業所で経験を積み管理者などの役職につくのも1つの手。
役職に就けば役職手当がプラスされ、もらえるお給料の額が増えます。
特別加算の事業所で働く
これからもしケアマネジャー(介護支援専門員)としての就職・転職を考えている場合はなるべく、介護職員処遇改善加算を受けている職場を選ぶのがオススメです。
介護職員処遇改善加算とは、職場環境の改善に取り組んでいる介護事業所に、自治体からお金が給付される制度。
介護事業の職場環境改善を推進するために、賃金体系の整備や研修・資格取得の支援など一定の条件を満たしている事業所に特別にお金が支払われる仕組みです。
そしてその介護職員処遇改善加算で得たお金は、介護職員に賃金としてあてることが義務付けられています。
つまり、特別加算を受けている事業所なら、ホワイトかつ他よりも給料が多くもらえる職場でケアマネジャーとして働けるということですね、
独立する
介護事業所に雇用されるのではなく、いっそ独立するというのもケアマネジャー(介護支援専門員)としての収入を増やす1つの手段です。
企業に雇用される限り、その運営母体の規模や状況に給料が左右されますが、独立ケアマネは自分の工夫しだいで年収を増やすことが可能。
ただしサービスの低下を防ぐという観点から、ケアマネージャーが1人で担当できる介護利用者は40人以上60人未満と決まっています。
この利用者数制限の中で上手く利益を出していけるノウハウや勝算があるのなら、居宅ケアマネとして独立し大幅な年収アップを狙いましょう。
今後ケアマネの給料は上がる?
ここまで、現在におけるケアマネジャー(介護支援専門員)の年収、勤務形態についてお話ししてきました。
それでは、今後ケアマネージャの給料はどう変化していくと予想されるのでしょうか?
ケアマネージャーの需要は増加の一途を辿る
今後2025年にかけて団塊の世代が75歳以上になることから、要介護者発生率も高くなることが予想されています。
自宅や施設など様々な場所で高齢者に適した介護サービスが提供されるためには、ケアマネージャー(介護支援専門員)の存在が不可欠です。
したがってケアマネージャは今後も需要が増加ずる、将来性のある職業だと言えるでしょう。
ケアマネジャーの資格取得は難しくなった
以前までケアマネージャー(介護支援専門員)の受験資格は、現場での実務経験さえ5年以上あれば、誰でも得ることが可能でした。
しかし2018年からはその受験資格に、「社会福祉士や介護福祉士の資格を取得してから5年」という要件が追加。
受験資格のハードルが上がってケアマネージャーになることが難しくなったので、より給与や待遇面の改善が期待できます。
業務の肥大化と処遇改善の問題もある
将来性が期待されるケアマネジャー(介護支援専門員)の仕事ですが、業務と賃金にまつわる問題も抱えています。
今まで、介護士にはたびたび処遇改善が行われてきましたが、ケアマネージャーに対する処遇改善は特に行われていません。
介護業界でケアマネジャーの業務が肥大化する一方、介護士との給与の差は徐々に埋まりつつあるんですね。
このためケアマネージャーの抱える悩み・デメリットでも指摘した通り、「業務に見合った報酬が得られない」という嘆きが多いのも1つの事実です。
まとめ
常勤のケアマネジャー(介護支援専門員)の給料は、月給350,320円!
看護師や理学療法士に次いで、介護職の中では3番目に年収の高い職業です。
今後も需要の高まりが予想される介護職なので、将来性は十分にあるといえます。
また、2018年から受験資格の取得が難しくなったことを考えると、ケアマネージャーの需要はより一層高まっていくと考えられるでしょう。